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映画『無明の橋』


      立山連峰を望む橋のたもと、様々な想いを抱えた女性たち
      ――空疎な日々に光を灯す、ひとときの交流

      渡辺真起子
      陣野⼩和
      吉岡睦雄 岩瀬亮 山口詩史 岩谷健司
      ⽊⻯⿇⽣  /  室井滋
      監督 坂本欣弘
      脚本:伊吹一  坂本欣弘|音楽:未知瑠|撮影:米倉伸
      制作プロダクション:コトリ|制作協力:イハフィルムズ  Ippo|配給:ラビットハウス
      © 2025「無明の橋」製作委員会
12.19(金) 新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
富山公開延期のお知らせ
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イントロダクション

深い喪失を抱えた女性の再生と出発を、
実在する儀式をモチーフに描く

日本の屋根と言われている三大アルプスのうち北に位置する立山連峰。全国に存在した山岳信仰は此処立山でも例外ではなく、古来、男性のみ登拝が許されていた女人禁制の山として知られていました。

江戸時代、女性の極楽往生を願う儀式として、本作で紹介される布橋灌頂会(ぬのばしかんじょうえ)が始まります。 この映画では、富士山、白山と並ぶ日本三霊山のひとつである 立山に、”救いや癒し”を求めて集う現代の女性たちが描かれます。 主人公・由起子を演じるのは、1998年に俳優デビューを果たして以降、名だたる監督たちの作品に出演し、日本映画界を第 一線で支え続けてきた渡辺真起子。3 歳の愛娘を亡くし、強い自責の念を抱えて生きる由起子を演じます。 同じように、癒しを求めてこの地を訪れた夏葉に、木竜麻生(『いつか無重力の宙に』(NHK 夜ドラ)、『秒速5センチメートル』)。地元の高校生沙梨に陣野小和(『なんで私が神説教』(NTV土曜ドラマ)、 2026 年公開『終点のあの子』)。由起子の友人に室井滋(『終活 シェアハウス』(NHK プレミアムドラマ)、『ぶぶ漬けどうどす』)。他、 吉岡睦雄、岩瀬亮、山口詩史、岩谷健司が脇を固めます。 監督を務めるのは、一貫して富山の美しい自然を背景に、人の 痛みに寄り添う作品を手掛けてきた地元出身の坂本欣弘(『真白の恋』『もみの家』)。これまで真っすぐなヒューマンドラマを描いてきた彼が、今回は時に幻想的な描写を交えながら、癒しを求めて 全国から集う女性たちを真摯なまなざしで見つめます。いにしえに女性救済の儀式として始まった布橋灌頂会をひとつの舞台として描いた本作は、構想から9年の時を経てついに誕生しました。

ストーリー

東京郊外のアパートでひとり暮らしをしている由起子(渡辺真起子)。
15年前に3歳の愛娘を亡くした彼女は、心に癒えない心の傷を背負い、
今もその罪の意識から逃れられずにいた。

由起子はある日、「布橋灌頂会」という儀式の存在を知る。
白装束を纏った目隠しの女性たちが、
立山連峰のふもとにある布橋の下を流れる川を三途(さんず)の川に見立て、
この世とあの世の境とされるこの赤い橋を渡ります。
この世ならぬ幽玄な光景に心惹かれた由起子は、その儀式に参加することとなる。

訪れたその地で、
地元の高校生 沙梨(陣野小和)、
何か事情を抱えて参加した夏葉(木竜麻生)と言葉を交わし、
心が通い合う時を過ごす中で、
由起子は亡くした娘の記憶と向き合うことになるのだったーー。

コメント

主演
渡辺真起子

大切な人を失ってしまったその人はどうやって再生するのでしょうか。 答えは失ったことがある人にしかわからないのかも知れません。
人は必ず、その時を迎えます。それが他者なのか自分なのかは分かりませんが。
魂というものがあるのなら、それはどこに行くのでしょう。
坂本監督が紡いだ時間は見つめている者と見つめられている者の物語になっていました。

監督
坂本欣弘

この映画の構想から、気づけば9年という月日が流れていました。
ずっと心に引っかかっていた思いを、ようやく物語にすることができました。
誰かを失った経験がある人、悲しみを抱えたまま立ち止まってしまった人へ。
立山の風景に寄り添いながら描いたこの小さな物語が、観てくださる方の心のどこかに静かに触れ、前へ進む力になりますように。